これからの都市づくりを考える場合、都市を管理制御するということが重要とあって、市民とパートナーシップを組んで進めることが必要となる。
今後はこのようなパートナーシップを背景に、課題を調整しながら、21世紀の成熟型社会を目指すことがこれからの都市づくりに求められている。
京都市の都市構造から都市づくりを考えると、周辺の山麓部は「保存」、都心部は「再生」、南部は「創造」という概念でみることができる。
高度集積地区は重要な交通路に挟まれた位置にあり、このような立地条件を踏まえた広域的な視点から北部と南部が相互に影響しあい、バランスのとれたまちづくりを進めることが必要である。
高度集積地区に着目すると、北部方面は三山に囲まれ、南方向に開けているところに大動脈が走っており、さらに今後の交通網整備計画をみると、高度集積地区は将来的にも非常に交通面に恵まれたエリアと言える。
企業を中心とした研究開発機能、ファッション産業の集積、酒造を中心として地場産業などの地域の特性を想定したうえで、関係者の地域の将来像を共有化して、新しいまちづくりを進めることが必要である。
高度集積地区とは、交通インフラ・情報基盤の整備、高度な都市機能を集積させるという意味で名付けられている。
六甲アイランド(580ha)、りんくうタウン(320ha)と比べると、高度集積地区(600ha)は広大であり、パリのラ・デファンス地区からルーブル宮殿までのエリアに匹敵する広さである。
現在、京都駅周辺、ファッション団地周辺にまちの核になる集積があるが、地元の住民、企業と行政、専門家が知恵を集める形のパートナーシップを組み、さらにもうひとつ中核になるものをつくりあげる方向で、長期的な視点も視野に入れつつ、まちづくりを進めていくことが重要と思われる。